2023年11月10日(金)に恵比寿のThe Garden HallでYO LA TENGOのライブを観ました。
凄く良いライブでした。2023年のベストライブの一つといえる内容だったと思います。
簡潔に表現するなら
現実と幻想の狭間で過ごした時間、
桃源郷、
向こう側、
インディーロックの真髄、
音の研究室
色々な形容表現ができそうです。
お酒も飲んでなかったし、シラフなはずなんですけど、、
凄いライブだったー・・。
YO LA TENGOは1984年にニュージャージー州ホーボーケンで結成。
当初はジョージア・ハブレイとアイラ・カプランの夫婦2人組でしたが、1992年にジェイムズ・マクニューが加入。これまで15枚以上のアルバムをリリース、インディーロック界の至宝とも呼ばれる存在です。
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YO LA TENGOを初めて聴いたのは1998年くらい、
音楽誌で1997年のベストアルバムに「I Can Hear The Heart Beating as One」が選ばれていたことで
興味を持ちました。
I Can Hear The Heart Beating As One [ YO LA TENGO ]
音楽的に繊細でハードな面もあり美しい。不可侵の領域で夢現、そんな印象。
それから何枚かのアルバムを聴き現在に至るわけですが、そういう印象に今も変わりはありません。
今回が初めてYO LA TENGOのライブを観る機会となり、前々から大変に楽しみにしていたライブでした。
仕事帰りに到着したスタンディング満員の会場
深く溶け入りそうなトリオ編成のサウンドと綺麗な歌を聴いていて(これはベルベット・アンダーグラウンドとビーチボーイズ、サイモン&ガーファンクルとヨラテンゴが体験し、演奏してきたあらゆる音楽が混じり合っている音楽で、それって最高じゃん。)なんて考えていました。
ふと周りを見ると小さく横揺れで体を動かしている観客が数人居て、(この音楽なら横揺れだよね。)と納得。しばらくすると、僕も円を描くように8の字を描くように体を小さく揺らし出して、それから靴の中でかかとを上下、首を上下して横揺れと縦揺れを一緒にしだして。
考えるより体が先に動き出したぞ、と。
ライブは2部構成であることをネットで事前に情報を知っていました。一部は最新アルバムの曲が中心。会場の一番後ろにいましたが、音は十分に聴こえるし、メンバーの姿もなんとか見える感じ。
凄く気持ち良く音楽に合わせて小さく揺れているうちに1部終了。
一部と二部のインターバルは観客もロビーに出て休憩したり思い思いの時間を過ごしていました。
僕は二部はもっと前の方で観たかったので、少し早めにフロアに戻りました。
インターバルの間にかかっていた音楽は
・Nancy Jacobs and Her Sisters 「Baby Are Yeng」
・Ana Moura 「Desfado」
・Loretta Lynn & Conway Twitty 「Spiders And Snakes」
・Gabriels 「One and Only」 等
曲検索アプリのShazamで調べましたが、どの曲も良い感じでした。
二部は会場の中央より前の方で観ることに。
綺麗な曲に増して、ラウドで実験的な演奏が増えて、次第にカオスな状況に変わっていきました。
僕も口が大きく開いたり、小さく縦揺れ、横揺れと不思議な動きをするようになりました。
周囲を観ると大勢が似たような状態で、幸せで混沌とした空間になっていました。
自分の体にモーションセンサーを取り付けて、その動きを後で研究してみたかったくらい、奇妙な揺れ方をしていたと思います。周囲にあまり迷惑はかけていないと思いますけど・・。
YO LA TENGOはトリオ編成で担当楽器もありますが、全員がボーカルをとり、ギター・ベース・ドラムにキーボード・パーカッション等各自が楽器を持ち替えて演奏していました。
セットリスト
Set 1
1. This Stupid World
2. Sinatra Drive Breakdown
3. Everyday
4. Tiny Birds
5. Aselestine
6. Satellite
7. I’ll Be Around
8. Until It Happens
9. Miles Away
Set 2
10. Green Arrow
11. Let’s Save Tony Orlando’s House
12. False Alarm
13. Upside-Down
14. Brain Capers
15. Double Dare
16. Fallout
17. Tom Courtenay
18. Ohm
19. Blue Line Swinger
Encore:
20. Emulsified (Rex Garvin & The Mighty Cravers cover)
21. Speeding Motorcycle (Daniel Johnston cover)
22. Big Day Coming
YO LA TENGOのメンバーは所謂、普段着スタイルのルックスも普通の人という印象ですが
音楽性は美・繊細さとラウド・実験性の間を行き交うようで、日常と非日常の間に居る気分でした。
ライブ後も幸せな余韻が続きました。