2023年10月29日(日)に「横浜 Bay Hall」で「サニーデイ・サービス」のライブを観ました。
同じライブハウスで同年の8月に「くるり」、9月に「TRICERATOPS』と3か月連続となる偶然。

サニーデイ・サービスのライブを観るのは2回目です。去年初めて観に行ったのですが、1回目は2月に「LINE CUBE SHIBUYA」で観て、曽我部恵一さんと「くるり」の岸田繁さんが出演した弾き語りライブイベント「BABY Q 東京場所」も7月に浅草公会堂で観ています。振り返ると一昨年くらいからサニーデイ・サービス、曽我部恵一さんの音楽をよく聴きました。

サニーデイ・サービスは1994年にメジャーデビュー、数々の名盤を世に送り出し、メンバーはサニーデイ・サービス外でも音楽に留まらず多方面で活躍を見せています。
僕も1998年くらいからサニーデイ・サービスの音楽を聴き出しました。ちょうどアルバムの「24時」と「MUGEN」をリリースした頃です。

サニーデイサービス / 24時 【CD】


サニーデイサービス / MUGEN 【CD】

当時から2000年の解散迄の雑誌のインタビューなどは熱気、読みごたえがありました。
曽我部さんは海外の音楽や文学にも造詣が深く、ミュージシャンとして、市井の人としての生活感やユーモアも豊富な語り口、自然体でディープな精神世界も感じられて僕みたいな音楽好きにも地続きでもあり、先の道案内のように感じられて良かったです。近年でもよく雑誌やwebメディア等でインタビュー・記事を見ますが、海外・日本の音楽や文学、日常生活や色々なことについて話している内容も良い感じと思います。
最近ではザ・バンド、ロビー・ロバートソン、「ライ麦畑でつかまえて」のJ.D.サリンジャーについて話している記事等を読みました。
インディーズレーベルのROSE RECORDSを主宰し、下北沢で「カレーの店・八月」、レコードショップとカフェバーが一緒になった「CITY COUNTRY CITY」でオーナーを務めて、音楽制作やライブ出演も精力的に活動されています。
これまで曽我部恵一さんのソロ、曽我部恵一BANDもチェックしていましたし、サニーデイ・サービスの再結成後は特にApple Music等を通してキャリア全体のアルバムを聴いていました。
あらためて曽我部さんは凄いソングライターで、携わった音楽の多くが素晴らしいと感じています。
そして、サニーデイ・サービスの素晴らしいサウンドを象徴するかのようなベースを弾き、ラーメン愛好家としても知られ、国内外アーティストのレコーディング・プロデュースでも活躍しているベーシストの田中貴さんの活動もチェックしています。

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バンドとしてもメンバー個々人としても自然体で音楽や色々な活動をしているところが共感できるというか素晴らしいなと憧れる思いです。

そしてサニーデイ・サービスのライブは凄く良かったです。
印象的な時間が沢山ありました。
歌もギターもベースもドラムも全パートが素晴らしかったです。
前ドラマーの丸山晴茂さんの後任となるドラマーは大工原幹雄さんでパワフルにしっかりとリズムを支えていた印象です。

<セットリスト>
1. 八月の息子
2. 海辺のレストラン
3. 心に雲を持つ少年
4. 江の島
5. スロウライダー
6. NOW
7. 幻の光
8. 魔法
9. 虹の午後に
10. ノー・ペンギン
11. サイダー・ウォー
12. Goo
13. メキシコの花嫁
14. 恋人たち
15. 枯葉
16. 24時のブルース
17. TOKYO SUNSET
18. 恋におちたら
19. ご機嫌いかが?
20. 花火
21. 雨
22. ロンリー・プラネット・フォーエバー
23. 桜 super love
24. コンビニのコーヒー
25. 春の風
26. こわれそう
27. 風船賛歌
28. 家を出ることの難しさ
29. 夜のメロディ
30. シルバー・スター
31. 雨の土曜日
32. 青春狂走曲
33. セツナ

特に「桜super love」「雨の土曜日」「シルバースター」「青春狂走曲」「魔法」「セツナ」は良かったです。
「青春狂走曲」は個人的にサニーデイ・サービスのカラーの一部を象徴する曲と感じていて、ベースラインが印象的で唯一無二のグルーブ感を持った最高のバンドサウンドと思います。
例えば、真昼の町をバンドで演奏しながら行進して、周りの人々も一緒に笑顔で歌い踊るような光景が思い浮かびます。今回のライブにおいても素晴らしい演奏を聴くことができました。

「雨の土曜日」では「The Trash Can Sinatras」のPaul Livingstonがギターで参加しました。サウンドにもう一層の色合いが重なった感じでした。僕も好きな曲で、一人で弾き語っても抒情的な歌心が伝わる名曲と思います。

「魔法」はダンスビートにとろけそうなメロディーが乗った素晴らしい曲です。2001年にリリースされたベストアルバム「BEST SKY」と「BEST FLOWER – B SIDE COLLECTION」はCDで所有していますが、「魔法」は後者に収録されています。その2枚はジャケットも光沢のある紙ジャケのようなパッケージ、デザインも青春感があって、良い曲が沢山の個人的に記憶に残るアルバムです。

そうしてバラエティ豊かに良い曲が次々と続きますが、時折バンドがパンキッシュに激しくなるのも印象的でした。特にライブ最後のギター、ベース、ドラムの轟音が「嘘?マジ?どこまでいくのだろう」と思うくらい凄まじかった。

15年くらい前に同じ横浜ベイホールで「Spiritualized」を観たときの轟音も凄まじかったですが、今回のサニーデイ・サービスの轟音もとんでもなかったです。サニーデイ・サービスとは自然体で軽やかなバンドイメージを持ちつつも、こういうアヴァンギャルドな面のあるバンドだと再確認しました。
20年以上前にサニーデイ・サービスを知って感じた印象は、良い曲を作るバンドの自然体のムードにとどまらず、音楽家、バンドマンとしての気迫、凄みが強かったです。
今回はそういう音楽的に素晴らしく、壮絶でもあるライブを観ました。




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